メインメニューを開く

Anti-surveillance β

共謀罪に抗して/よくある質問

目次

いくつかのよくある質問

パソコンの電源を入れたときにパスワードでアクセスするように設定しているが、これではダメなのか?

ダメです。ハードディスクをとり出して、別のアソコンに接続するなどでハードディスクにアクセスすることが可能ですから、ほとんど意味はないでしょう。

どうしても使い慣れたソストを使ったり、使いやすい方法に頼るし、監視されている実感もないので、なかなか言われたようなことができないのだが

これが最大のネックになってプライバシー防衛が進みません。自分のネット環境を変えるのは並大抵のことではありません。毎日の仕事や日常生活の必需品で、 スマホに至ってはほとんど起きている間中持ち歩き、画面を覗き、誰かと通信しているわけですから。ダイエットに多くの人が失敗するのと同様に、コミュニ ケーション環境を変えるのは難しいのです。この難しさを自覚した上で、なぜプライバシーの防衛が必要なのかを、実感ではなく、「理屈」で考えてみてください。

  • もしあなたが、警備公安警察の仕事をしていたら、ネットの監視をどのようにやりますか。
  • もしあなたが、警備公安警察の仕事で、集会やデモの写真を撮影する担当だったとしたら、撮影したデータをどのように活用しようと思いますか。
  • あなたが政府のサイバーセキュリティの担当者だったら、政府にアクセスする人たちをどのように監視したいと思いますか。
  • Google、Twitter、facebookなどは膨大な個人情報を取得しています。もしあなたが政権政党の選挙対策のメンバーだったとしたら、こうした民間の個人情報を選挙で有利に利用するにはどうしたらいいと考えますか。
  • もしあなたが、会社のネットセキュリティの仕事をするハメになったとき、「サイバー攻撃」や社員によるデータの持ち出しなどを監視せよと命じられたとき、どのような仕事をすることになりますか。

いろいろありすぎて何から手をつけたらいいかわかりません。まったくパソコンには自信がないですし

Torブラウザをインストールしてこのブラウザを日常的に使う習慣をつけてみてください。そして不便であることに慣れてください。次に、もし可能なら最も 大切なファイルを暗号化してみてください。ここに書かれているようなことをもっときちんとやりたいということであれば、お手伝いしますし、皆で相談しなが らグープの活動として協力しあいながらセキュリティ防衛取り組んでみてください。皆が協力しあえば大抵のことはできます。

スノーデンの話しなどを聞くと、大手のIT企業はほとんどみな監視社会に加担しているように思います。facebookやTwitter、Lineなどはやめた方がいいのでしょうか

それぞれの企業が何をやっているのか、どのような監視社会への加担をしているのかを調べてみることです。その上で、これらのサービスを使うメリットもあり ますから、比較検討しながら、どうしたらいいか決めてみたらいかがでしょうか。こうしたことも皆で調査したりしながら企業についての評価をすべきでしょ う。専門家に任せる必要はさらさらありません。(原子力工学を勉強していなくても原発に反対できるのと同じです) ちなみに、私は、twitterもfacebookもやめましたが、そうすべきだとは主張しません。また、パソコンもWindowsやMacは使いません。 スマホも使いません。不便かもしれませんが、慣れましたし、ある意味で、なるべく多国籍企業の製品には依存したくないという気分をある程度満たせていると いう点でいえば、わるくはないです。しかしパソコンのハードについてはインテルのような企業の製品を使わざるをえないですし、悩みはつきません。

googleのような検索サイトが情報収集しているというが、こうしたサイトは使わない方がいいのか

はい。検索ユーザの情報を収集しないサイトを使う方がよいでしょう。たとえば https://duckduckgo.com/ は個人情報を収集しないことをポリシーとしていて、Torブラウザの標準検索エンジンになっています。Googleのように万能ではないかもしれません。そのときは、図書館で調べる。友達に相談するのがよいと思います。 あるいは https://www.startpage.com/nih/#hmb は、googleのサーチエンジンを匿名で使えるようにしたサイトです。このサイトの検索結果はgoogleの検索結果と一致しますが、googleの便利(?)な機能は使えません。

今後私たちのセキュリティを考えたり、実際に自分のネット環境を変えたいというときに、参考になる本やサイトがあれば教えてください

内閣府のサイバーセキュリティセンターが発行している「情報セキュリティハンドブック」 http://www.nisc.go.jp/security-site/handbook/index.html 政府がセキュリティの何に関心があるのかも知ることができ、同時に、セキュリティの基本も教えてくれる。この本で解説されている「サイバー攻撃」は政府が「敵」に対して行なう攻撃や捜査名目で行なう手段でもある。無料で配布しています。 ●監視社会がどれだけ深刻かについては 小笠原みどり『スノーデン、監視社会の恐怖を語る』毎日新聞社 ブルース・シュナイアー『超監視社会』、池村千秋訳、草思社 この二冊でほぼ全体像がわかる。 ●警察は何をやっているか 羽室英太郎、國浦淳編著『デジタル・フォレンジック概論』東京法令出版 警察庁の警察通信研究センターのサイバー捜査の専門家が書いた本。 ●企業は何をやっているか 岩井博樹『動かして学ぶセキュリティ入門講座』SBクリエイティブ。 企業でセキュリティ関連の仕事をすることになった非専門家の人たちへの実務的な解説書とでもいうべきもの。セキュリティをめぐるイデオロギーも含めて、企業が何を「セキュリティ」として考えているのかも知ることができる。

刑事弾圧などで弁護士と相談したり、裁判の打ちあわせをする場合、ネットの利用で注意すべきことは何でしょうか。やはり暗号化されたメールを使うことは必要だと思いますが.…

はい、できればそうした方がよいでしょう。少なくとも、個人情報に関するファイルは暗号化すること、メールでのやりとりも暗号化が可能なツール(今回は、 Protonmailを紹介しました)を使うなどが必要かもしれません。 共謀罪の成立で、捜査機関の証拠収集の手法も変わることは弁護士の皆さんはよく承知していると思います。ですから、弁護士事務所のセキュリティの対策も とっているかもしれませんから、いろいろアドバイスをもらえるかもしれません。クライアントのプライバシー防衛に真剣に向き合ってくれることが弁護士に とっても重要なことになります。とはいえ、弁護士はネットの専門家ではありません。事務所のセキュリティは検察や民間企業のような万全な体制がとれるほと 技術的な余裕もない場合もあるかもしれません。日頃交流のある弁護士のみなさんとも議論して、どのようにして市民のサイバーセキュリティを防衛できるか検 討して、ネットのセキュリティに詳しい人たちの協力を求めながら、具体的な取り組みを開始することが第一歩でしょう。

信頼できるプロバイダーを探したいが。どうしたらいいのか。

日本には運動体をサポートするネットのアクティビストの活動は非常に脆弱です。専門的な技術者として運動をサポートできる組織はほとんどありません。先に も書いたように、非営利でプライバシーの権利を保障するユーザの味方になってくれるプロバイダはなかなか見つからないかもしれません。私が知っている唯一 の団体は、JCA-NETです。 http://www.jca.apc.org/ 警察などの強制捜査に太刀打ちできるわけではありませんが、市民活動をサポートする目的で設立された団体です。サーバを引っ越して対策をとりたいというときの一つの選択肢にはなると思います。